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ことばの海

Twitter→@komatuuuu947頑張って書いてます。スター励みになります。コメント頂ければ幸いです。

何故書くのか。

白い球体は地を這うようにこちらに向かってきた。それは小さな砂の粒を弾き飛ばし、不意に飛び上がった。体が無意識に反応し、身構える。刹那、左肩に衝撃が走る。痛みは感じない。今、この痛みは感じる必要のないものだからだ。私の体に当たったボールは地…

AKG20周年記念 『春』

私がその風変わりな少女と初めて出会ったのは、とある病院の中庭だった。 「この花は、何という花ですか。」 それが彼女の発した最初の言葉だった。 私は出版社に勤務している。昔から書き物をすることが好きで、いつかは小説家になりたいと思っていた。いや…

「目」【参】

生暖かい風が強く吹き付ける。地下鉄のホームは無機質で、それでいていやらしい程に生臭い。人という生き物から滲み出た諸々の滓や芥が、この薄暗い空間に溜まっているのだ。毎日の通学には、この地下鉄と最寄り駅へと繋がる線を使う。大学はわりと都会の方…

年末年始奮闘記 2

温泉旅館に来たのなら、まずは温泉に入るべきである。これは殆ど動かすことのできない道理だろう。何故なら、温泉が嫌いなら温泉旅館に来る必要が無いからである。突き詰めるならば、温泉に入りたいからこそ温泉旅館に宿泊するのだ、と言っても過言ではない…

AKG20周年記念作品のお知らせ。

私の敬愛するバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが結成二十周年を迎えました。テンションが上がってしまったので、アジカンにまつわるワードを出来るだけ使って、短編を書こうと思い至りました。最後までお付き合い頂ければ幸いです。

年末年始奮闘記 1

山間の道を車で進んでいくと、目的の建物がそびえ立っていた。冬の山々は殺風景で、これで雪でも降っていれば多少絵になるのだろうが、あいにく暖冬のせいなのか今シーズンは一度降ったきりである。遠くを見渡すと、丁度幼稚園児が無造作に作った砂山のよう…

「目」 【弍】

整然と並んだ林檎を見つめながら、芳賀は思う。林檎に最初に「林檎」という名前を与えた者は誰なのだろうか。考えたからといって、答えが見つかる訳ではない。正直、どうでもいいことである。バイト先でこのような事を考えて居るとは、ほかの誰も思うまい。…

穴が、穴が怖いのです。 ええ、そうなんです。いつの頃からなのかは、すっかり忘れてしまったのですけど。 なぜ怖いのか・・・・・・そうですね。 例えば、世界の裏側で誰かが泣いていたとしても、私たちはそれを知る術はありませんよね。 一人でいるとき、もし自…

続・嫉妬しますよ、その文才。

優れた文章とは、私にとって絶望である。 最近の若者は読書をしないという。確かに、様々な娯楽が手軽に楽しめるようになった世の中、わざわざ何時間もかけて紙の束を一枚一枚丁寧に剥がし、そこに書かれた文字の羅列を延々と読んでいくという作業に、万人が…

冬と病熱

先日、私は喉を患いました。毎年のことなのですが、昼夜の寒暖差が激しくなるこの頃、喉を痛めては発熱するというお決まりのパターンがやってくるのです。 日曜日だというのに外に出かけもせず、日がな一日布団の中と自分の部屋の中だけで生活をしていました…

「目」【壱】

芳賀俊介は憂鬱だった。明日が試験の日だったからだ。試験と名の付くものたちとは、高校でお別れするものとばかり思っていたが、どうやらそういうわけでもないらしく、大学でも定期的に奴らの恐怖に晒されている。 芳賀は悩んでいた。なぜ悩むのかというと、…

百鬼夜行#3 〜寿司になった妖怪〜

皆さんお寿司は好きですか? 今の時代、ありとあらゆるところに回転寿司屋があり、リーズナブルな値段で寿司を楽しむことができます。しかも最近の回転寿司屋も様々な工夫を凝らし、鮮度などの品質も向上していて、中々おいしいなぁと思う私であります。 寿…

ナンバーワンを目指さなくてもオンリーワンになれるのか?

先日、SMAPの解散が発表されました。国民的人気グループであり、その歌やメンバーの言葉に救われた方や勇気を貰った方はさぞ多いことでしょう。 さて、彼らの有名な曲に「世界に一つだけの花」というものがあります。日本人なら一度は聴いたことがあるであろ…

無題

誰かが自分に向かって、他の誰かの悪口を吐いていると、自分はまだ大丈夫なんだな、と思ってしまう。

無題

幸せは 続かないから幸せなのだ 続けばそれは平凡となり 日々の中に埋没するばかり

百鬼夜行#3【序】

「匂い?」 村山は頬張ろうとした焼き鳥の串の動きを止めた。村山は会社の先輩にあたる。アルコールには強くないくせに、上司に小言を言われた日は決まって呑みに誘ってくる。彼が小言を言われない日はまずないから、断りでもしない限り僕に休肝日は訪れない…

百鬼夜行#2〜時代が生んだ怪鳥〜

第2回は「以津真天」(いつまで)についてご紹介します。 以津真天が最初に登場するのは「太平記」の中の記述です。1334年、疫病が流行し、死者が多くでた頃に、巨大な怪鳥が現れます。その怪鳥は「いつまでも、いつまでも」と鳴き続け(そんなわけあるかいな)…

お知らせ

百鬼夜行シリーズは【序】という短編で紹介する妖怪のお話をした後、考察の部分を投稿する、という2部構成でいこうと思います。 よろしければ、是非。

百鬼夜行#2【序】

戦があった。 さほど大きな合戦ではなかった。それでも人が争えば死人も出る、死人が出るから悲しむ者も出る。 嘆かわしい事だ… と玄海は思う。仏門に入り3年。それなりに村の者にも慕われてきた。玄海はそこそこの規模の村の、これまたそこそこの大きさの寺…

分岐器の人たち。

あぁ、この人に出会ってしまったから自分の人生が変わったのだろうなぁ…という人たちは意外と多くいる。人生を左右する、というとそれは言い過ぎだとは思うが、それでもこの人と出会わなかったら絶対にいまの自分を作る要素の、少なくとも1つは欠落していた…

百鬼夜行#1〜見えないものを見ようとして、彼らは鬼を創り出した〜

皆さん、妖怪や幽霊は好きですか? 彼らにも存在する理由や、生まれてきた意味があります。それを考えていくと、彼らのことがもっともっと好きになっていくと思うのです。という訳で、しばらくシリーズ物として、妖怪や幽霊について書いていこうと思います。…

旅立つ夏への手紙

なんとなくだるい。 夏はそんな季節だ。 半透明な薄い膜が、絶えず身体を覆っていて、その膜の中には、自分しか感じえない暑さとだるさの入り混じった液体とも気体ともつかぬ何かが、まるで浮遊霊のように漂っている。その膜は破れることはなく、いつまでも…

若者の話

よく「最近の若者は」と言われる。 私自身、一応若者の部類に入るだろうというわけで、世間が今の若者に対してどういう感情を抱いているのか気になるところではある。 歳を重ねている方々も、時代を辿れば若者だった時期があるわけで、きっとその時も「最近…

リンゴと切り身と厭な思い出

リンゴって素敵だと思うんですよ。ほら、日本の果物といえばリンゴじゃないですか。まぁ完全に独断と偏見で言っていますけど、とにかくリンゴなんです。外見は真っ赤。赤は目を引きますよね。 「紅一点」という言葉があります。この言葉は「男性の集団の中に…

嫉妬しますよ、その文才。

「文字で表現するより、言葉で表現することを得意とするタイプ」 なのだそうだ。 もちろん私が、である。 言葉で表現することが得意なら、文字で表現することだって得意な筈だろう?まぁ、この結果は、俗にいう性格診断テスト的なもので得られたわけで、特に…